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日本でも急成長するeスポーツ、茨城国体で盛り上がり
国体の文化プログラムとしてeスポーツ選手権が開催されるなど、日本においてもeスポーツが注目されています。eスポーツに取り組む専門学校が増えつつある中、その可能性と教育の役割について、一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)の副会長 浜村弘一氏にお話を伺いました。
直近では、茨城国体で文化プログラムとして全国初となる都道府県対抗によるeスポーツ選手権が開催(2019年10月)され、盛り上がりました。ウイニングイレブン、グランツーリスモSPORT、ぷよぷよeスポーツ、の3タイトルで、全国の都道府県から約600名の選手が参加しました。連日130名ぐらいの記者が来て注目されました。国体での開催は来年以降未定ですが、今後の開催地である鹿児島、三重でも何らかの形でeスポーツをやるとおっしゃっています。
全国高校eスポーツ選手権など高校生のeスポーツが始まっていて、eスポーツの部活動を推進する流れとなっています。専門学校でも学科を作るところも増えていますね。国際大会も増えていますから、JeSUとしては日本から選手を派遣していきたいと思っています。選手の強化育成という点でも、学校と協力していきたいですし、実際にカリキュラムの相談も行っています。
卒業後の活躍の場としては、日本にプロチームが40以上あり、実業団も増えてきました。そこに就職あるいは選手契約する他に、個人として協賛企業を付ける人、ストリーマーとして広告収入を得ている人もいます。試合の数は増えていますし、賞金付き大会の総額は1億5千万円を超えています。数千万稼いでいるプレイヤーも現在は数十名います。もちろん、競技の腕前がないと勝てないですし、スポンサーもつかないです。
eスポーツの講師は、プレイした実績を積んだ人でないと対応できません。JeSUがプロライセンスを発行している人は約200名いて、腕前が保証されていますので、そういう方に依頼するのは一つの方法です。過去の大会実績がある方でもよいと思います。後はプロで食べていくための力量を付けるには時間がかかるので、eスポーツ周りの全般の職種に対応できるスキルの勉強もしてもらえるとよいです。
講師がいない場合、私どもに相談していただければ、プロライセンスの選手やチームを紹介することもできます。また、eスポーツが運営できる会社では、講師を派遣したり、学生をOJTで教えるということもやっています。この分野でも人材不足の現状はあるので、OJTを受ける会社も採用につなげたいと考えて積極的にやっています。
eスポーツでは、チーム戦が増えています。チームで戦うには、コミュニケーション能力が必要ですし、プロの世界ではメンタルが強い人でないと勝てない。海外遠征も多いので英語を中心とした語学力も必要です。外国人とチームを組むこともあり、自然に覚える部分もあると思います。世界に通用するような選手になるため修行してください。
選手は練習場が欲しいのです。韓国や欧米には練習場が多数ありますが、日本で練習場を作ろうとするとゲームセンターと認識され風営法の対象になってしまいます。学校にパソコンが10台並んでいる場があって、学生以外でも使えるなら連携するメリットがあります。もう一つは、セカンドキャリアを含めた教育に期待しています。ストリーミング、大会運営、興行プロデュースのスキルは、セカンドスキルとして有効です。eスポーツは日本ではまだ生まれたばかり、これから大きくなっていく市場ですので、期待して欲しいです。
JeSUには支部があり、現在は10ですが、2020年1月末には21支部に増えることを発表済です。今後増えていく予定ですので、各地域の専門学校との連携は支部で対応していけるようになると思います。
浜村弘一 様
株式会社KADOKAWA デジタルエンデジタルエンタテインメント担当シニアアドバイザー 。
また、一般社団法人日本eスポーツ連合の副会長として、日本のeスポーツ産業の普及とさらなる成長・発展に向けて活動中。