古代エジプトでも、「教訓集」というものが、著作のジャンルの中でもかなりの部分を占めていて、そこには人が人の集団の中でどう生きて行くべきかが書かれています。文学として書かれる前に、かなりの年限を使ってルール作りをし、失敗し、考え方を修正した跡が見えます。これは今風に言いますと、「人生マニュアル」でしょう。
生き方のコツと言えるこの教訓は、教育読本そのもので、古代エジプトの社会を向上させるのに大きく役立ったと思います。古代エジプトの著作で残っているものには、学校の教科書としての役割のものが多いのは、古代エジプトの社会は同じような価値観を持つ人間を社会の中核にしようと考えていたからでしょう。