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ソーシャルメディア※1というのは、いつどこで誰が見ているかわからないインターネット上の広い空間です。知り合いだけに情報発信をしているつもりでも、もっと多くの人が見ている可能性がありますし、誰が見ているかわかりません。前回はソーシャルメディアの活用についてはお伝えしましたが、今回はリスクについてお伝えしていきます。
リスクの中でも、今回はまずは炎上について解説していきます。
※1ソーシャルメディア:facebook、twitter、mixi、ameba、mobage、greeなどの事
炎上とは、インターネット用語で何かしらの不適切な内容の発言をきっかけに爆発的に注目を集める事態または、状況を指します。
炎上を起こしてしまった人は、インターネット上に発言内容のコピー、ソーシャルメディアのプロフィール欄、本名、住所、所属先、写真などあらゆる情報が探され、晒されてしまいます。
加えて、晒されてしまった内容は「まとめサイト」と呼ばれるブログに一挙に掲載されてしまいます。
このような内容は削除されるのが難しい為、特に学生は次の進路に進む際の大きな障害になることがあります。
2011年から学生を中心に不適切な発言が原因で炎上に至るケースが相次ぎ、ソーシャルメディアの代表格でもある「twitter」が一部メディアやインターネット上で「バカ発見器」などと呼ばれています。下表はほんの一部ですが、直近までの発生した炎上事案を一覧化してみました。
学生が中心ではありますが、社会人や教師も炎上に至る発言をしている事がわかります。
◆従業員の炎上
従業員(学校であれば教職員)が起こした場合、所属元である組織・団体にマイナスイメージがつきます。
今年6月20日に発生した事案で「体罰もありだよね」と発言した教師を例にとってみます。体罰に関する事は学校にとって非常にセンシティブなトピックです。教職員が体罰を肯定するような内容を発信する事でその教師が勤務する学校では体罰が行われているのではないと世間から感じ取られてしまう可能性もあります。いち教師の発言で学校全体がやり玉にあがり、体罰に対しての調査を実施し、その結果の公表や謝罪などの対応に追われる事も想定できます。
◆学生の炎上
上表の通り、炎上事案のほとんどが学生によるものです。炎上に至った学生のほとんどは学校を中途退学するようです。なかには就職内定が取り消されてしまった例もあります。
学生目線で考察すると、せっかく受験を頑張って入った学校を去る事になってしまい、将来就きたかった仕事を失う事になります。
学校法人は入学者数を確保及び伸ばしていく上で色々な広報活動に費用や時間をかけ戦略を各々立てらっしゃると思います。しかし、たった一度の不用意な発言により台無しになってしまう可能性があります。
炎上事案がおきた某学校のとある学部は出願数が2011年と比較した際に2012年は25%近く落ち込んだ例もあります。要因は炎上だけが理由ではないにせよ、金額にすると1億円相当にものぼる計算になります。
これまで取り組んでいた広報活動なども含め考えると、多大な被害総額になってしまうと想像します。加えて、炎上してしまった学生で中途退学しまった場合、学費収入もその分減少してしまいます。
一個人の不用意な発言により炎上は発生しています。その背景として、スマートフォンの普及が進み、インターネット上での活動というのが非常に身近になりましたが、扱う側のリテラシーが追いついていないのが大きな要因だと考えます。例えば、ソーシャルメディアで発言するのと、携帯電話のメールで発言するのとでは影響範囲が違うという認識がないなどが挙げられます。
では、どのように対策を取れば良いのか。
私達は2つの方法があると考えており、こちらの取り組みを強化しています。
(1)インターネットネットを上手に使えるように啓発をする
インターネットを扱う上でのリテラシー向上を図る取り組みになります。
(2)ソーシャルメディアの利用におけるルールを策定する
ソーシャルメディアポリシー、ソーシャルメディアガイドラインなどと呼ばれ、企業、大学などが策定を進めている所が増えています。
インターネットリテラシー啓発の取り組みは様々なメディアにも取り上げられ、注目を浴びています。学校では教わらないソーシャルメディアの扱う上での可能性と危険性を事例紹介と共に中高生を中心にではありますが、出前授業・講座の提供をおこなっております。対象としては大学や教職員向けにも提供をしておりますので、ご要望ありましたらご一報頂けますと幸いです。
●世田谷区立中学校の全校に「ネットリテラシー醸成講座」の講師を派遣
http://www.gaiax.co.jp/jp/news/press_release/2013/0611.html
ソーシャルメディアポリシーについては次回詳しくお話をしていきます。
ご不明な点がございましたらお気軽にお声掛けください。
【筆者プロフィール】
株式会社ガイアックス オンラインマーケティング部 河本 寛
「学校×ソーシャルメディア」をキーワードに教育機関へソーシャルメディア活用のコンサルティング及びリスク対策を提供、ネットリテラシー啓発活動を担当。全国で教職員・保護者・生徒向け研修の講師を年間40回以上実施。
事業概要:ソーシャルコミュニティサービスの企画・開発・運営及びソーシャルコミュニティを中心とする各種ASPの提供・コンサルティング
所在地:〒141-0031東京都品川区西五反田1-21-8 KSS五反田ビル8F
TEL:03-5759-0334
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