はじめに

皆さま、初めまして。
この度、専門学校と経営でコラムを執筆させて頂く事となりました、株式会社ガイアックスの河本と申します。

当社は、「人と人をつなげる」という企業理念のもと、ソーシャルメディアの企画・開発、活性化のためのコンテンツ提供、安心運営のための24時間監視、国内外を超えて加速するソーシャルアプリ（ゲーム）に対応した万全のユーザーサポート業務など、ソーシャルメディア※1とソーシャルアプリに関わるすべての業務をワンストップで提供しています。
私が担当しているのは、スクールガーディアンという学校向けサービスになります。当社は企業向けに24時間監視サービスを提供しており、その人員とノウハウを活かして2007年11月に学校非公式サイト※2の専門対策サービスとして、日本で初めて提供開始しました。

今でこそ、文科省がネットパトロールについて取り組み、現在検討が進められている「いじめ対策推進法案」の中にネットいじめも対策に含まれていますが、当社がサービスを立ち上げた当初、学校関係者の誰もがインターネット上で実際にどのようなインターネットサイトが活性化しているのか、またどういったコミュニケーションが行われているのかなどよく知らない状況でした。

そのような背景もあり、2008年より、インターネット周りの専門家として教職員、保護者、生徒を対象に通算250回以上の講演を行ってきました。当初の講演ではインターネットネットサイトに関して学校関係者の知識の底上げすることが目的でしたが、現在は、これからの生徒と学校に必要なソーシャルメディアの活用面についてもお話しています。

デジタルネイティブ世代とインターネット

「デジタルネイティブ」という言葉をご存知でしょうか。近年マスメディアにも取り上げられる機会が増えてきたので耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。「デジタルネイティブ」とは、「幼少期よりインターネットが空気や水のように当たり前にある環境として存在してきた世代」であり、一般的に日本では1992年以降に生まれた世代を指します。つまりデジタルネイティブとはまさに今の10代の子どもを指します。

内閣府が行った「平成24年度　青少年のインターネット利用環境実態調査」によれば携帯電話の所有率は、高校生はほぼ全員、中学生では半数の割合となっています（図1）。その中でも、スマートフォンの所有者が急増しており、高校生では半数以上、中学生でも4人に1人の割合です（図2）

また、次のデータを見ると、10代の子どもがテレビを観るよりもインターネットに接している時間の方が長いことが分かります（図３）。特にスマートフォンはソーシャルメディアと親和性が高く、デジタルデバイスを用いた情報発信を大人同等、もしくは大人以上に自然に行なっていることが背景にあると考えます。

学生の炎上による学校のリスク

2011年頃から「炎上」とよく耳にする機会が増えたのではないでしょうか。便利で気軽に誰でもインターネットに情報発信をできるようになったことが背景にあります。仲間内だけがみているという感覚で、携帯などのメールと同じ感覚でソーシャルメディア上でも情報発信をしてしまい、結果として、発信内容がネット住民の反感を買い、思わぬトラブルに発展する事象が散見されています。この現象の仕組みと学校が受ける影響については別回で触れさせて頂きます。

リスクの一例として「炎上」をあげましたが、学校がインターネット、ソーシャルメディアを活用することを目指して、ソーシャルメディアのリスク対策、啓発等少しでもお伝え出来ればと考えております。よろしくお願い致します。