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eラーニングコンテンツは「美しい」より 「眠くならない」を目指せ
eラーニング研修の最も大きな敵は「眠む気」です。ちなみにプロが作るテレビ番組は眠くならないようテンポ良くできてますが、素人が作ったコンテンツは単調で眠くなるものが多いです。
では、どういったところが眠むたくなるかをお教えしましょう!
それは、全体を統一したレイアウト・デザインで綺麗にまとめることです。これぞ、眠くなる急先鋒です。
誰もが、綺麗に見やすく作ることが正しいと教えられています。特に雑誌編集などに携わってきた人にとっては、美しくないレイアウトは許せません。
だけど良く考えてください!雑誌は、自分の好きなものに対してお金を払って見るわけですから読まない訳がありません。
ところが(全てでは無いですが)eラーニングコンテンツは社内の研修や学校のお勉強が主です。もちろん、自己啓発的に行う英会話等は別ですが、例えば、会社の規則を勉強することを面白いと思う人がいるでしょうか? 少ないと思います。
要は興味のないものに対し、どう学習してもらうかがポイントです。
まず、プロではない素人の方は誰でも全体感を統一しようと試みます。それが一番簡単な発想だからです。全体のカラー、文字の大きさ、キャラクター、オブジェクト、グラフなど。全て綺麗な配列にしようと努力します。
そして、どんどん細かいところに気づき修正を繰り返し、段々深い谷間に沈んでいきます。ちなみに、広告は1枚の画面に集約されますがどんなに美しい広告も100スライドあったら見飽きて、相当 インパクトの薄いものになると思います。
制作者は長時間かけて綺麗なものが出来て大満足ですが、これを何十ページも見せられる方はたまったものではありません。
デザインの美しさに感動してくれるのは、ほんの数ページです。
それゆえ、そこに労力をかけるのは止めましょう! 正直、先に進まなくなります。
もし、一緒にコンテンツを作ってる人がそこにハマっていたら注意喚起が必要です。
要は綺麗で無くていいので、学習する人が眠くならないよう、色々工夫してください。
そう考えればコンテンツ作りも楽しくなっていきます。
強調したいところは文字がドーンと大きくなったり面白いイラストや写真を突然差し込んだり。
また、人間がコンテンツを見始めて眠くなるタイミングと言われる経過10分を狙って、何か仕掛けるのも良いかもしれません。
汚いとか、デザインがと言う人も居るかもしれませんが、怖がらず、そこはプロじゃないのでと開き直って、思い切り楽しくコンテンツを作ってみましょう! 細かいところにウジウジ拘っていてはダメですよ。
ちなみにコンテンツとは面白いもので、悩みながら作ったり、人を厳しく叱責しながら作ったものは、故か相手にもそれが伝わってしまい、人気の無いものになってしまう場合があります。
逆に気持ちよく、楽しく作ったものはそのノリや気持ちが相手に伝わり、ヒット作につながることも多いです。
かの有名なマイケルジャクソンのプロデューサー・クインシージョーンズは、良い演奏をしてもらうためにレコーディング前、スタッフ全員に手料理を振る舞ったそうです。
次に注意しなくてはならない事は、イラストはあまり使わないようにすること。挿絵程度で充分です。
特に人物と背景のイラストは止めた方が無難です。後で「実物とは違う」、「実際のディテールとは違う」などと粗探しの対象になります。それは、絵だからみんなわかりやすいので、口を出しやすくなるのです。また、イラストを描くということは大変な作業で外注に出せば大きな費用となります。
それゆえ、詳細が必須なら写真にしてください。そのものを写せば、そこには異論は無いはずです。
人物はシャドウ(影絵)をお薦めします。通常、シャドウは真っ黒ですが、ナビゲーターは赤で学習者は青などと色分けしておけば内容に添うことができます。目を描いて口を描いてなどとやってると、視線の方向が違うとか、しゃべってるのに何で口が動かないのとか、後で要らぬ妨げが待ってます!
それがダメなら人物も写真はいかがでしょう?人物の写真素材集ならいっぱいあります。また、社内で怖い鬼部長がいたら、その方に頼み込んでコンテンツに登場してもらって下さい。そうすれば、恐ろしくて誰も眠れませんから(笑)
【筆者プロフィール】
株式会社WARK 代表取締役 長瀬 昭彦
eラーニングコンテンツ内製化支援のスペシャリストとして数多くのプロジェクトや研究グループに参画。自らもコンテンツの内製化セミナーの講師として全国に津々浦々の企業・学校等で指導を行っている。また、日本で唯一のeラーニングの業界団体である日本e-Learningコンソシアムの理事を務め、2012年に新しく設立されたモバイルラーニングコンソシアムの副代表理事も務める。さらに過去4年間、日本e-Learningコンソシアムの「コンテンツ内製化研究グループ」のリーダーとして多くの企業・学校の内製化支援・指導を行っている。
株式会社WARK(ワーク)事業概要:
eラーニング/モバイルラーニングのコンテンツ作成ツールの開発・販売。
コンテンツ内製化支援セミナーの開催。システム・コンテンツの受託開発。
eラーニングASPの開発・販売および運用支援。それらに関するコンサルティング業務。
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